思ったことを認(したた)めるブログ

日々暮らす中で思った、ちらしの裏に書くようなことを書いていきます。

まったり暮らせる?団体職員という生き方

唐突な自分語りですが、私はいわゆる社会人としてのキャリアを「団体職員」としてスタートさせました。もともと周りより就職が遅かったこともあり、給料はボチボチでいいから安定して精神的にも楽な仕事をしたいなぁ、でも面白い仕事もできたらなぁと思って、当時かなり志望度の高かった団体職員の席を手に入れました。結局今は転職をして一般企業に勤めているのですが。なかなか団体職員の実態て分かんないなと自分が就活してた時にも思っていたので、どうやって団体職員の席を得たのか、そしてなぜ転職を決めたのかを私の場合でお伝えできればと思います。

私が団体職員を選んだ理由は「まったり」

就職してよく聞かれたのが「そもそもこんなとこに就職口があるなんてどうやって知ったん?」ということ。答えは単純で、2ちゃんねるのホワイトランキングなどをさらっていたからです。当時他に見ていたのは私大職員や海運の陸上職、倉庫業などでした。実際それらの職がホワイトかどうかは正直今でもわかりませんが、私が就職した団体は「まったり」でした。ただ、「まったり高給」という文字につられて決めたものの、安月給ではありませんでしたが決して高給取りでは無かったです(年次を重ねると分かりませんが)。
団体も普通のナビサイトで掲載している場合が多く、普通の企業の採用フローとの違いは全くといっていいほど感じられませんでした。やはり違うのは知名度だけですかね。ただ、採用人数は年2〜5人と結構少ないので応募人数が少なくても結構倍率は高いみたいです。

上記のようなモチベーションだったので、めちゃくちゃ情報を調べたりもせず、ただ表面的な情報だけさらって説明会や面接に行きました。あまり緊張したりするたちでも無いので、普通に話してたら普通に通った、というのが正直な話です。ある程度は団体側が欲しい人物像っぽく回答してましたが、それも微々たるものでしたし、専門的なことをしっかりと聞かれた記憶はあまりありません。単純にひととなりとやらを見定めようとしていたようでした。
ただ、私の場合はそれなりに力のある団体で採用している人も高学歴の方が多く、そういう点ではそれなりの大学を出ていることが必須条件っぽかったみたいです。もっとも、SPIのテストの結果でたしか国語が偏差値50以下だったのには流石に笑いましたが。そんな感じで、ほっとんど対策もなく、向こうから難しいことも聞かれず、何を見られていたのかもわからないまま採用と相成りました。あとで私の採用を決めた(らしい)役員の方に理由を聞くと、「民間にはいないタイプと思ったから」。なんじゃそりゃ。でも今でもその人のことを尊敬しています。

実際に入ってみて良かったこと

本当にホワイト(労働時間、業務上のストレス)
なによりも労働時間、業務上のストレスの観点で本当にホワイトだったことですね。時期にもよりますがほとんど残業はなく、ノルマがあるわけでも無いし、お付き合いする方も基本的にきちんとしたビジネスマン、そのうえ役職が高い人が多く、若いだけで可愛がってもらえましたし、「そういった意味での」ストレスはあまり感じませんでした。

安定した事業内容
これは私が勤務していた団体だから、ということもあるかもしれませんが基本的に潰れる可能性はほぼ0ということも非常にいいポイントでした。就職が決まった時は親族みんな喜んでくれましたし、公務員的な評価を得られ、信用度もかなり高いみたいですね。また、私がいたところは地域の団体でしたので、転籍がなくずっと地元で働くことができました。それに伴って(?)住宅補助などの福利厚生はなかなか厳しいものがあったのですが、実家から通える人はかなりおいしい思いをしていたと思いますね。

給料は安くはなかった
基本給だけで言えば、月給20万は普通に超える感じで一般的な企業並みか若干それ以上もらうことができていました。なんとボーナスも2.5ヶ月分×2回分くらいきちんと出て、私は一人暮らしをしていたものの、貯金が毎月たまるというほどではないですがボーナスはきちんと貯金できる程度には生活できており、生活に困るということはありませんでした。ただ、本当にホワイトなので残業をそんなに多くできるわけでもなく(したらきちんと残業代を出してもらえます)、いわゆる一流の企業に勤めている高校や大学の友達と話してみると彼らの年収の85%くらいでした。別に私は年収で幸せを測るような人間じゃないですし、団体を目指すような人なら気にすることはないと思いますが…。

こんなにいいことばかりで就職の軸であった「ホワイトな職」に就けたなのになんで転職なんてしたの?ということで、もちろん納得いかない部分、悪い部分もあったわけです。

 実際に入ってみて悪かったこと

職場内の人間関係

一番大きかったのはこの点です。安定した職場というのは裏返すと居座ることができる、ということもあって上の世代の人が多く残っており、しかも問題があった時には知らん顔をするような尊敬できない人が多数いたことが転職を決意した一番の理由です。また、その安定感にただぶら下がっているだけのような意識の低い職員と、その尻拭いをさせられる職員の差が大きく、後者の先輩たちをみているとこのままでいいのか…という思いが出てきました。
前述の人間関係は大きい企業に行けばどこでもあることかもしれませんが、団体特有の問題としては出向職員の問題があります。前の職場では職場の半数ほどが外部の企業からの出向職員だったのですが、こちらも人によってモチベーションの差が大きく、若手の生え抜き職員はお手伝いさんくらいにしか思っていない人も多く、そういった人たちに辟易としていました。そしてそういった方は次の出向の方への引き継ぎもきちんとしておらず、結局怒られるのは生え抜きの若い職員、というところも嫌でした。もちろん、我々に寄り添ってくれる職員の方もいて、すごくいろいろな勉強をさせてもらえることもあり、いちがいに出向職員が無理、ということは決してありません。

成長感のなさ

仕事で扱う案件は規模が大きかったり幅が広かったり、非常に興味深いことが多かったのですが、本当に若手は作業をこなすだけのマシーンと化して、ひたすらメールの送付や上司に言われた通りの資料作成など事務作業に従事することばかりです。しかも上司からの指示は具体性がなく、そのままさらに上の役員に持っていって説明も自分でさせられ、ボコボコにされて帰ってくるということも多々ありました。この辺りは前述の人間関係にも関係しますね。ひたすら議事録起こししたり、講演内容を記事化するなど「文章力をつける」なんて適当なことを言ってやらされたりしますが、体系的な指導を受けられるわけではなく、いわゆる上司ガチャ、先輩ガチャによる当たり外れが非常に大きいものでした。私は事務作業の能力、文章力が前の職場で身についたとは一つも思っておらず、なんのスキルも身につけないまま転職できるタイミングを逃すのは嫌だと感じていました。
そういえば団体ということで、民間の厳しさを知らないんじゃないかみたいなことを出向のおっさんおばさんに言われたりしますが、多分実際そうで、団体から民間企業への転職は若いうちじゃないとできないんじゃないかなと思っています。私がいた職場でも民間への転職は事務で行ったのが中年くらいの歳の人で1人、後は全員20代の若手ばかりなので、行き遅れになることに対して危機感を感じていました。

事業の貢献感のなさ

案件的には規模が大きかったり、幅が大きかったりとすることばかりでしたが、突き詰めて考えていくと「そもそもうちの団体いらなくないか?」と思うことが増えたことも転職に至ったきっかけです。ただでさえモノを売るような商売じゃないのに、コトを売って実際お客さんのためになっているのか?というのが目に見えにくく、というかお客さんもただ付き合いでやっているという雰囲気を感じました(実際出向の人にも言われました)。そりゃ私みたいなヒラ職員にはわからないのかもしれませんが、私がお客さん側の立場で果たしてうちと仕事をするメリットを感じるか?と言われれば絶対にNOなんですよね。そういったとことから働きがいも感じられず、転職に至ったわけです。

転職を考え始めて思ったのは、思ったよりも自分は真面目だったんだなということと、自分が幸せを感じるのは「自分に正直に生きること」なんだなということでした。気がついたら結構文章が分厚くなったのでここで終わります。

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村